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氷の致死量
蔵書数: 1冊 貸出数: 0冊
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竜王図書館 <1012469787>
貸出可 / 1F棚15/913.6オオーコ / / /913.6/ク/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-15-210132-7
13桁ISBN 978-4-15-210132-7
書名ヨミ コオリ ノ チシリョウ
著者ヨミ クシキ リウ
分類記号 913.6
価格 ¥1900
出版者ヨミ ハヤカワ ショボウ
大きさ 19cm
ページ数 414p
抄録 教師の十和子は女性教師が14年前に殺された事件に興味をもつ。彼女は自分と同じアセクシャルだったのかもしれないと。一方、街では殺人鬼・八木沼がまた犠牲者を解体し…。ふたりの運命が交錯するとき、驚愕の真実が!
著者紹介 1972年新潟県生まれ。「ホーンテッド・キャンパス」で日本ホラー小説大賞読者賞、「赤と白」で小説すばる新人賞を受賞。ほかの著書に「死刑にいたる病」など。
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アセクシュアル
(2022/06/10)
あめんぼう/東温市立図書館
この物語は3つの方向からストーリーが進む。
一つは、高校教師の女性。
彼女は自分が人に恋愛感情を抱く事が出来ない、性愛行為も望まないアセクシュアルだという事に悩んでいる。
彼女はある出来事からそれまで勤めていた高校を退職し、しばらくの休みを経て別の私立高校で勤める事にした。
その私立高校では14年前に女性教師が殺されるという事件が起きていた。
そして、その殺された女性は自分と同類ではないかと彼女は思っている。

二つ目は、赤ちゃんプレイが趣味で、その母親役を殺してきた男目線のストーリー。
その殺害方法はあまりに残虐でグロテスクなもの。
彼は14年前に殺された女性教師を崇拝していた。

そして、三つ目は事件を追う刑事の目線ストーリー。

いつもかなり過激で残虐な描写を描いている作者だけど、この物語も例にもれず、かなりグロテスクなものだった。
だけど、私はこの作者の書くものに関してはそれに嫌悪感を抱かない。
それを書く根底にあるものが何となく分かるからだと思う。

今回の話はすごく引きつけられてぐいぐい読まされるという感じではないのに、何となくページを繰って読んでいたら何時間かで読み終えていた。
こんな風に淡々と読まされるのは、やはりストーリー運びとか描写が巧みだからだろうと思う。
だけど、今回に関しては、人物描写や殺害の真相に少し違和感があった。
どうしても、この人物は実はこうだったというのが私の中で結びつかない。
とってつけたような感じを受けた。

事件どうこうよりも、本当に描きたかったのは主人公である高校教師の女性の心情でないかと思う。
人と違うって事が苦しいのは世間がそれを認めるような心構えじゃないからだと思う。
人を勝手に自分の都合良くイメージづけて、それから外れると攻撃する。
幼稚なやり方。
私は、相手が男だろうと女だろうと、そのどちらでも無かろうと、性欲が無かろうと、恋愛感情が無かろうと、こちらに攻撃をしてこなければ別にいい。
人は誰かの都合で存在している訳じゃない。
自分だってそうじゃないの?と思う。

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