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三体 2[上]
  • 黒暗森林
  • 早川書房 2020.6
  • 劉 慈欣∥著
  • (14人)
蔵書数: 1冊 貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊 予約件数: 0件
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資料の状況
竜王図書館 <1012397848>
貸出可 / 1F西壁/915マ-999 / / /923/リ/2-1 / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-15-209948-8
13桁ISBN 978-4-15-209948-8
書名ヨミ サンタイ
著者ヨミ リウ ツーシン
分類記号 923.7
価格 ¥1700
出版者ヨミ ハヤカワ ショボウ
大きさ 20cm
ページ数 335p
抄録 人類に絶望した天体物理学者・葉文潔が宇宙に向けて発信したメッセージは、三つの太陽を持つ異星文明・三体世界に届いた。新天地を求める三体文明は、千隻を超える侵略艦隊を組織し、地球へと送り出し…。
著者紹介 1963年山西省生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。「三体」でヒューゴー賞を受賞。
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壮大な宇宙文明論を堪能せよ
(2020/11/06)
チルダ/菊陽町図書館
 このシリーズ、ネットではとても評判が良かったため前作「三体」は自腹で購入していた。だけれども…。うーん、中国の歴史をベースにして重厚な展開を見せる前半は面白いと思ったものの、後半の三体世界のあたりでなんだか観念的でつまらないな…と思うところがあり、全体としては星3ぐらいという若干期待外れな感想であった。
 で、本作だが。前作のこともあり図書館でお借りして済ませた訳だが、これは買っても後悔しない内容だった。シリーズ中最も人気があるというのも頷ける内容である。
 ネタバレは嫌いなので中身には踏み込まないが、「三体2」は壮大な宇宙文明論である。ここで展開するのは、人類が宇宙に飛び出した後の物語であるが、実際にはどうであろうか。この点僕は悲観的で、人類はこのまま地球から脱出できず滅びてしまうと考えている。
 かつてスティーヴン・ホーキング博士は、「人類は今後1,000年以内に新たな惑星を見つける必要がある」と述べ、その後この予測を100年に短縮している。これは地球がもはや人類にとっては狭すぎると彼が考えていたからであり、このままいけば資源を食い尽くして絶滅するのが自明であったからだ。
 多分こうだろうと考えるのだが、ある惑星に発生した知性が滅亡を回避するためには、その知性が有限の資源を無駄なく活用し、まっしぐらに宇宙へと飛び出す努力をする必要があるのではないか。翻って我々人類を見ると、個別にはホーキング博士のように優れた「個体」が現れる事はあれど、社会主義は理想が高すぎて必ず腐敗し、資本主義は欲望の暴走を止められない。結局のところ我々は、種として見れば、シャーレの上で培養されているカビと大差ない活動をしている。食べて殖えるという本能に従っているに過ぎない。培地の栄養を食べ尽くしたら、そこで滅ぶ運命なのである。
 仮に、諸々の問題を解決できたとしよう。そこでぶつかるのが「三体2」の宇宙文明論である。ああ、なんと宇宙の冷厳なことか。柄にもなくそんな事を考えてしまう、そういう深みが本作には、有る。

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