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日本列島はすごい
水・森林・黄金を生んだ大地
中公新書
2800
中央公論新社 2024.4
伊藤 孝
∥著
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貸出数: 0冊
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竜王図書館 <1012693550>
貸出可 / 2F棚8/新書 / /S/450/イ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-12-102800-6
13桁ISBN
978-4-12-102800-6
書名ヨミ
ニホン レットウ ワ スゴイ
副書名ヨミ
ミズ シンリン オウゴン オ ウンダ ダイチ
著者ヨミ
イトウ タカシ
叢書名ヨミ
チュウコウ シンショ
分類記号
450.91
価格
¥920
出版者ヨミ
チュウオウ コウロン シンシャ
大きさ
18cm
ページ数
4,238p
一般件名
日本列島
一般件名
資源 日本
抄録
変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す日本列島。時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読みなおし、天災から命を守り、資源を活かす暮らしの醍醐味を語る。
著者紹介
宮城県生まれ。筑波大学大学院地球科学研究科博士課程修了。茨城大学教育学部教授。茨城県地域気候変動適応センター運営委員。博士(理学)。
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日本列島の自然災害とその影響に迫る一冊
(2025/06/09)
わっちゃん/小郡市立図書館
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読書感想文:「日本列島はすごい」
日本列島の自然災害とその影響に迫る一冊
本を読んだきっかけと印象
80歳を迎えた今、知恵こそついていないものの、知識は増え続け、これまでに覚えたいろいろなことと向き合う時間が増えました。その中で、この本『日本列島はすごい』は、私に新しい視点を提供してくれるものでした。読み進める中で「へぇ、そうだったのか」と心から驚くことが何度もあり、非常に楽しませてもらいました。自然科学や地理学の知識を基盤に、日本列島の特異な自然環境や地質学的歴史を描き出す著者の洞察力には感心せざるを得ません。
驚かされた事柄
この本を通じて得た知識の中で特に印象に残った事柄をいくつか挙げてみます。
燃えるという現象の歴史
まず、地球上で物が燃える現象が始まったのは4億年前以降だという事実には驚きました。それ以前は地上の空気中の酸素濃度が16%以下だったため、燃焼現象が起きることはなかったのです。この地質学的なタイムスケールでの酸素濃度変化が自然界にどのような影響を与えたのかと考えると、想像を絶するほどの壮大さを感じます。
日本列島と火山活動
日本列島で起こった大規模火山噴火の歴史も非常に興味深いものでした。7千年前の鬼界アカホヤ噴火、2.9億年前の姶良カルデラ噴火、そして9万年前の阿蘇カルデラ噴火といった事例は、いずれも自然の巨大な力を示すもので、特に姶良噴火では北海道を除く全国に地層を作るほどの火山灰が降り注いだと記されています。このような火山活動を持つ地域に人々が住み続け、繁栄し続けることの背景には、自然環境への深い適応力があるのではないかと思わせられました。
台風の分布と地域差
さらに、台風や熱帯低気圧の分布の特徴についても新しい知識を得られました。北半球では太平洋東海岸や大西洋東海岸に集中してこれらの気象現象が発生し、対照的にアメリカ西海岸やヨーロッパの大西洋側ではほとんど発生しないそうです。この事実は、気候パターンが地形や海流に大きく影響を受けていることを象徴しています。
日本とアメリカ西海岸の気候比較
また、日本の太平洋沿岸の夏が高温多雨であるのに対し、アメリカ西海岸の夏は気温20度程度で雨が少ないという記述は、地球上の気候の多様性を強く実感させられるものでした。このような比較を通じて、日本の気候条件がいかに独特であるかを改めて認識しました。
日本列島の自然災害とその影響
日本列島は台風、洪水、地震、火山噴火など多くの自然災害を抱えています。その影響で毎年多額の費用を災害復旧に投じる必要があります。この経済的な負担だけでなく、災害が人々の心に与える不安感についても深く考えさせられました。私は冗談のように、「日本列島ごと国を引っ越した方がいいのでは」と言っていたこともありますが、この本を読んでその考えを一層強めました。
日本人のメンタリティと自然環境
自然災害にくじけることなく何度も立ち上がる姿勢こそが、日本人のメンタリティを形作ってきたのではないかという考えに行き着きました。しかしながら、もし穏やかな気候と自然災害の少ない地域、例えばカナダやヨーロッパなどに住んだとしたら、どれほど心が安らぐだろうとも思わされます。そうした想像を抱えつつ、日本列島の厳しい環境に適応し続ける日本人の強さにも敬意を覚えます。
おわりに
『日本列島はすごい』は、自然科学を基盤にした知識を提供するだけでなく、自分の生活や地域のあり方を深く考えさせる一冊でした。自然災害との付き合い方やそれが日本人の精神に与えた影響について、これからも思索を続けていきたいと思います。日本列島が私たちに与える挑戦と恩恵のバランスを再認識させられる貴重な読書体験となりました。
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わっちゃん/小郡市立図書館
日本列島の自然災害とその影響に迫る一冊
本を読んだきっかけと印象
80歳を迎えた今、知恵こそついていないものの、知識は増え続け、これまでに覚えたいろいろなことと向き合う時間が増えました。その中で、この本『日本列島はすごい』は、私に新しい視点を提供してくれるものでした。読み進める中で「へぇ、そうだったのか」と心から驚くことが何度もあり、非常に楽しませてもらいました。自然科学や地理学の知識を基盤に、日本列島の特異な自然環境や地質学的歴史を描き出す著者の洞察力には感心せざるを得ません。
驚かされた事柄
この本を通じて得た知識の中で特に印象に残った事柄をいくつか挙げてみます。
燃えるという現象の歴史
まず、地球上で物が燃える現象が始まったのは4億年前以降だという事実には驚きました。それ以前は地上の空気中の酸素濃度が16%以下だったため、燃焼現象が起きることはなかったのです。この地質学的なタイムスケールでの酸素濃度変化が自然界にどのような影響を与えたのかと考えると、想像を絶するほどの壮大さを感じます。
日本列島と火山活動
日本列島で起こった大規模火山噴火の歴史も非常に興味深いものでした。7千年前の鬼界アカホヤ噴火、2.9億年前の姶良カルデラ噴火、そして9万年前の阿蘇カルデラ噴火といった事例は、いずれも自然の巨大な力を示すもので、特に姶良噴火では北海道を除く全国に地層を作るほどの火山灰が降り注いだと記されています。このような火山活動を持つ地域に人々が住み続け、繁栄し続けることの背景には、自然環境への深い適応力があるのではないかと思わせられました。
台風の分布と地域差
さらに、台風や熱帯低気圧の分布の特徴についても新しい知識を得られました。北半球では太平洋東海岸や大西洋東海岸に集中してこれらの気象現象が発生し、対照的にアメリカ西海岸やヨーロッパの大西洋側ではほとんど発生しないそうです。この事実は、気候パターンが地形や海流に大きく影響を受けていることを象徴しています。
日本とアメリカ西海岸の気候比較
また、日本の太平洋沿岸の夏が高温多雨であるのに対し、アメリカ西海岸の夏は気温20度程度で雨が少ないという記述は、地球上の気候の多様性を強く実感させられるものでした。このような比較を通じて、日本の気候条件がいかに独特であるかを改めて認識しました。
日本列島の自然災害とその影響
日本列島は台風、洪水、地震、火山噴火など多くの自然災害を抱えています。その影響で毎年多額の費用を災害復旧に投じる必要があります。この経済的な負担だけでなく、災害が人々の心に与える不安感についても深く考えさせられました。私は冗談のように、「日本列島ごと国を引っ越した方がいいのでは」と言っていたこともありますが、この本を読んでその考えを一層強めました。
日本人のメンタリティと自然環境
自然災害にくじけることなく何度も立ち上がる姿勢こそが、日本人のメンタリティを形作ってきたのではないかという考えに行き着きました。しかしながら、もし穏やかな気候と自然災害の少ない地域、例えばカナダやヨーロッパなどに住んだとしたら、どれほど心が安らぐだろうとも思わされます。そうした想像を抱えつつ、日本列島の厳しい環境に適応し続ける日本人の強さにも敬意を覚えます。
おわりに
『日本列島はすごい』は、自然科学を基盤にした知識を提供するだけでなく、自分の生活や地域のあり方を深く考えさせる一冊でした。自然災害との付き合い方やそれが日本人の精神に与えた影響について、これからも思索を続けていきたいと思います。日本列島が私たちに与える挑戦と恩恵のバランスを再認識させられる貴重な読書体験となりました。