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平沼騏一郎
  • 検事総長、首相からA級戦犯へ 中公新書  2657
  • 中央公論新社 2021.8
  • 萩原 淳∥著
  • (1人)
蔵書数: 1冊 貸出数: 0冊
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資料の状況
竜王図書館 <1012442495>
貸出可 / 2F棚8/新書 / /S/289.1/ヒ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-12-102657-6
13桁ISBN 978-4-12-102657-6
書名ヨミ ヒラヌマ キイチロウ
副書名ヨミ ケンジ ソウチョウ シュショウ カラ エーキュウ センパン エ
著者ヨミ ハギハラ アツシ
叢書名ヨミ チュウコウ シンショ
分類記号 289.1
価格 ¥900
出版者ヨミ チュウオウ コウロン シンシャ
大きさ 18cm
ページ数 5,308p
個人件名 平沼 騏一郎
抄録 司法と行政の頂点を極め、大きな足跡を残すも、陰謀家と断罪された平沼騏一郎の実像とは。その生涯を論じ、司法官として果たした歴史的役割や、政治家平沼の台頭と挫折、現在社会に残した遺産を明らかにする。
著者紹介 1987年滋賀県生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。琉球大学人文社会学部准教授。著書に「平沼騏一郎と近代日本」がある。
0人中 0人が好評価
素人には詳しすぎるが、よく書かれていると思う
(2021/11/08)
中務光人/池田市立図書館
  著者は滋賀県出身で 1987年 生まれ。執筆時 琉球大学人文社会学部准教授。
 平沼騏一郎は、1967年(明治元年の前年) 美作国津山藩の津山藩士の次男として生まれる。一家は武士道精神を重んじ、父も藩主への絶対服従を誓う人物だった。
 数え年5歳から藩校で漢学を学び、その後、現在の帝大法科大(現東大法学部)を首席で卒業。
卒業後、司法省に入り、1年間の海外留学を糧に、司法制度の改革、数々の立法(刑法改正, 指紋法, 少年法) にかかわり 1912年に検事総長となり、現在でも検察中興の祖と呼ばれているとのこと。
実務的にも、数々の事件・政治家がらみの案件もそつなくこなしていて、当時の法曹界・言論界でも、学者兼実務家としても高評価を受けている。それとともに、司法省内に強力な "平沼閥" ができてゆく。
 そのような立場から、1923年 請われて司法大臣として政治の世界に入っていく。その後、貴族院議員、枢密院議長などを歴任し、日中戦争の最中の 1939. 1 に総理大臣に就任する。この頃、いずれの内閣も短命に終わっているが、平沼も陸軍との関係が思うように進まない中、独ソ不可侵条約をきっかけとして8ヵ月弱で総辞職する。
 司法の世界で活躍していた時期・政治の世界の入った初期に、それと平行して思想活動にも傾倒する。平沼にとって、反共産主義と治安の安定が最優先課題のようで、1924年 その3年前に設立された国本社という右翼団体の会長に就任。この国本社には、政界・軍部の幹部クラスも多数在籍したが、米タイムズ紙から、1932年 「日本のファッショ団体の代表」 として報道されていた。
このようなことから、枢密院議長就任にあたり、国本社と関係を断つことを約束し、国本社は解散された。(1936年?)
 総理大臣であった半年余りの短い期間を含め、枢密院副議長・議長時代、その後も重臣として国政の重大な舵取りの一翼を担ったが、日中戦争・対米戦争に、アクセルをかけた部分と、ブレーキをかけた部分があるが、東京裁判では (1) ファッショ的団体である国本社の指導者であったこと (2) 枢密院副議長・議長時代の 日満議定書・日独防共協定 (3) 首相時代の防共協定強化・ノモンハン事件などを根拠に、戦犯として、無期懲役が言い渡された。
1946年4月より巣鴨拘置所に収監。1952年病気のため釈放されたが、同年 8月22日 自宅で死去。

 私は、この本を読むまでは、司法にも素人で、「平沼騏一郎」 の名前だけなんとか知っている程度の浅学の極みであったので、司法制度の歴史が折に触れて出てくることにしんどさも感じたが、とてもよく調べて、よく書かれていると感じた。
 平沼騏一郎という人物については、まじめ、仕事をしっかりこなし、国としてのまとまりを重んじる上での国家主義など、評価できる部分も多い。もう少し広い視野をもって、他国のことを考える余裕があれば、後世でも評価される政治家になっていたかも知れないと思う。同じ、右翼・国家主義と言っても、嘘と不誠実にあふれた、安倍元首相並びにそれに近い人達とひとくくりにするのは気の毒だ。

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