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神よ憐れみたまえ
新潮社 2021.6
小池 真理子
∥著
(17人)
蔵書数: 3冊
貸出数: 0冊
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貸出可 / 1F棚15/913.6オオーコ / / /913.6/コ/ / 帯出可
敷島図書館 <410998744>
貸出可 / 一般913.6ア-コ / / /913.6/コ/ / 帯出可
双葉図書館 <2811292883>
貸出可 / 一般小説913.6ア-ト / / /913.6/コ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-10-409810-1
13桁ISBN
978-4-10-409810-1
書名ヨミ
カミ ヨ アワレミタマエ
著者ヨミ
コイケ マリコ
分類記号
913.6
価格
¥2200
出版者ヨミ
シンチョウシャ
大きさ
20cm
ページ数
570p
抄録
昭和38年11月、三井三池炭鉱の爆発と国鉄の事故が同じ日に発生した夜、12歳の黒沢百々子は何者かに両親を惨殺された。音楽家を目指す美貌の彼女の行く手に、事件が重く立ちはだかり…。生と死の意味を問う長篇小説。
著者紹介
1952年東京生まれ。「恋」で直木賞、「無花果の森」で芸術選奨文部科学大臣賞、「沈黙のひと」で吉川英治文学賞を受賞。
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傑作
(2022/04/16)
あめんぼう/東温市立図書館
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金持ちの夫婦が殺害される事件が起きる。
事件が起きた日、悲惨な鉄道事故が起き、夫婦の一人娘、百々子は修学旅行中だった。
事件の第一発見者となった家政婦は百々子を可愛がっており、百々子も彼女が好きだった事から、一時期、家政婦の家で百々子は暮らす事となる。
やがて、その家の同年代の息子を好きになる百々子。
百々子は非常に美しい少女で、小さな頃から男たちはそんな彼女に性的な興味をもっていた。
その中には思いがけない人物もいた。
だけど、肝心の相手は彼女に興味を示していない。
そんな彼女が両親を殺されるという心の傷を抱えながらも彼女らしく強く生きていく様子、その周囲の様子を描いている。
久しぶりに小説を読んだ、という気になった。
これぞ、私が昔から知っている小説というものだと思う。
とにかく、人物の心理描写、置かれている状況描写が素晴らしくて、ああ、人を殺した人間はこういう心の流れになるか・・・と思わせられる。
人物像も通り一辺でなく、素朴で良心的な家政婦がただ単純な物の見方をするのでなく、意外にも人を鋭く見抜く眼がある事、心根の優しい娘の道ならぬ恋に落ちていく様子など、読んでいく内にこの世界は本当にあるのだと思えた。
私がこの本で最も心に残ったのはタイトルになっている「神よ憐れみたまえ」ではなく、「豊かな人間性」というような言葉。
それは家政婦一家を表現した言葉で、私も見ていて本当にその通りで、そんな風に生きられるというのは稀有な事のように思えたし、「豊かな人間性」でない人間の方も彼らの存在のおかげで際立って感じられた。
エゴ、自分しか見えない幼稚な様子、女性、妻を性の対象物としか見ない様子・・・。
不幸な運命に翻弄されながらも自分らしく強く生きていく主人公が魅力的。
だけど、どんなに数奇な運命を体験した人も何れそれは霧散してしまう。
それでもただ生きるという事が素晴らしい。
豊かな人間性という言葉を心に刻みたい。
エゴに走りそうな時、思い出そうと思う。
彼らならどうするか・・・と。
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双葉図書館 <2811292883>
貸出可 / 一般小説913.6ア-ト / / /913.6/コ/ / 帯出可
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あめんぼう/東温市立図書館
事件が起きた日、悲惨な鉄道事故が起き、夫婦の一人娘、百々子は修学旅行中だった。
事件の第一発見者となった家政婦は百々子を可愛がっており、百々子も彼女が好きだった事から、一時期、家政婦の家で百々子は暮らす事となる。
やがて、その家の同年代の息子を好きになる百々子。
百々子は非常に美しい少女で、小さな頃から男たちはそんな彼女に性的な興味をもっていた。
その中には思いがけない人物もいた。
だけど、肝心の相手は彼女に興味を示していない。
そんな彼女が両親を殺されるという心の傷を抱えながらも彼女らしく強く生きていく様子、その周囲の様子を描いている。
久しぶりに小説を読んだ、という気になった。
これぞ、私が昔から知っている小説というものだと思う。
とにかく、人物の心理描写、置かれている状況描写が素晴らしくて、ああ、人を殺した人間はこういう心の流れになるか・・・と思わせられる。
人物像も通り一辺でなく、素朴で良心的な家政婦がただ単純な物の見方をするのでなく、意外にも人を鋭く見抜く眼がある事、心根の優しい娘の道ならぬ恋に落ちていく様子など、読んでいく内にこの世界は本当にあるのだと思えた。
私がこの本で最も心に残ったのはタイトルになっている「神よ憐れみたまえ」ではなく、「豊かな人間性」というような言葉。
それは家政婦一家を表現した言葉で、私も見ていて本当にその通りで、そんな風に生きられるというのは稀有な事のように思えたし、「豊かな人間性」でない人間の方も彼らの存在のおかげで際立って感じられた。
エゴ、自分しか見えない幼稚な様子、女性、妻を性の対象物としか見ない様子・・・。
不幸な運命に翻弄されながらも自分らしく強く生きていく主人公が魅力的。
だけど、どんなに数奇な運命を体験した人も何れそれは霧散してしまう。
それでもただ生きるという事が素晴らしい。
豊かな人間性という言葉を心に刻みたい。
エゴに走りそうな時、思い出そうと思う。
彼らならどうするか・・・と。