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蛍の森
新潮社 2013.11
石井 光太
∥著
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蔵書数: 1冊
貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊
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竜王図書館 <1011995998>
貸出可 / 1F棚14/913.6ア-オウ / / /913.6/イ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-10-305454-2
13桁ISBN
978-4-10-305454-2
書名ヨミ
ホタル ノ モリ
著者ヨミ
イシイ コウタ
分類記号
913.6
価格
¥1700
出版者ヨミ
シンチョウシャ
大きさ
20cm
ページ数
412p
抄録
四国の山奥の村で、謎の連続老人失踪事件が発生した。容疑者となった父親の真実を探るべく、私は現場へと向う。だが、そこには歴史上最も凄惨な「人権蹂躙」の闇が立ち込めていた…。『小説新潮』連載を加筆修正して単行本化。
著者紹介
1977年東京生まれ。国内外の貧困、医療、戦争などをテーマに取材、執筆活動を行なっている。著書に「物乞う仏陀」「神の棄てた裸体」など。
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幸せの光
(2018/07/10)
あめんぼう/東温市立図書館
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一気に読み終えた。
初めて読んだ作者の本だけど、書いてある内容に引き込まれたし、文章も読みやすかった。
とても、深く、重いテーマで読んでいてつらくなる所もしばしばあったけど、これは読んで良かったと思える本でした。
主人公は医師の男性。
彼は父親に殺人容疑がかかった事により、仕事と家庭をいっぺんに失った。
父は本当に犯罪を犯したのか、その事件を追う現在の話と、父親の過去が語られる話が入れ替わり立ち替り進んでいく。
その中で見えてきたのは60年ほど前にあった、らい病患者への壮絶な差別と暴力だった。
昔、四国八十八か所遍路をする人々の中には犯罪者や訳ありの人々がいた。
その中に、迫害され、集落から追い出された、らい病の人々がいて、彼らは帰る家もなく、ずっとお遍路を続けていた。
そして、そんな、らい病を患うお遍路さんは「ヘンド」という蔑称で呼ばれていた。
そんな事はこの本で初めて知った。
お遍路さんというと、信仰をしている人々だけがする、というイメージはなく、むしろ暗く、過酷なものというイメージはあったけれど、そんな中にこんな人々がいたなんて・・・。
それでも、当時の療養所に入るよりはマシだったというんだから、どれだけ療養所とは非人道的な所だったのか・・・と思う。
最近、私は小説の暴行シーンとか、虐待シーンとかに食傷気味になっていたが、この本では読んでいて本当に苦しくなって痛みを感じた。
これを読むと人間はどこまで残酷になれるんだろう・・・と思う。
・・・というか、ここに出てくる、笑いながら女子供に暴行したり、らい病の人々を平気で殺すのは人間なんかじゃないと思う。
見た目だけ人間の形をした獣。
彼らの暴力の矛先は常に自分より弱い者に向かう。
どこまでも徹底的に。
罪悪感の欠片もなく。
彼らのしている事も発する言葉も言葉遣いも全てが下品で暴力的で、読んでいるだけで虫唾が走るぐらい醜悪だった。
そんな中、ホッとできたのは、主人公の男性の父親が少年だった頃、そして彼を救った少女の言葉遣い。
彼らはまともな教育も受けてなくて、貧しい劣悪な環境で生きてきた訳だけど、言葉遣いが優し気で可愛らしい。
実際はそうならないかもしれないけど、そこに環境に左右されない人間性とか知性みたいなのを感じて読んでいて心がゆるんだ。
主人公の父親の大事な人々は、ずっと暗い闇の中、泥の中を生きてきた。
そんな中で、見えるという光は本当に、本当に微かなもの。
そうか。
これに幸せを感じるのか。
これさえも幸せなのか。
その生き方を見てグッときた。
こういう話だとタイトルの蛍をやたら場面で出すというのがあるけど、この本ではほんのちょっと触れているだけ。
そのほんのちょっとが、より一層効果的だった。
ちゃんと私にも見えた。
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あめんぼう/東温市立図書館
初めて読んだ作者の本だけど、書いてある内容に引き込まれたし、文章も読みやすかった。
とても、深く、重いテーマで読んでいてつらくなる所もしばしばあったけど、これは読んで良かったと思える本でした。
主人公は医師の男性。
彼は父親に殺人容疑がかかった事により、仕事と家庭をいっぺんに失った。
父は本当に犯罪を犯したのか、その事件を追う現在の話と、父親の過去が語られる話が入れ替わり立ち替り進んでいく。
その中で見えてきたのは60年ほど前にあった、らい病患者への壮絶な差別と暴力だった。
昔、四国八十八か所遍路をする人々の中には犯罪者や訳ありの人々がいた。
その中に、迫害され、集落から追い出された、らい病の人々がいて、彼らは帰る家もなく、ずっとお遍路を続けていた。
そして、そんな、らい病を患うお遍路さんは「ヘンド」という蔑称で呼ばれていた。
そんな事はこの本で初めて知った。
お遍路さんというと、信仰をしている人々だけがする、というイメージはなく、むしろ暗く、過酷なものというイメージはあったけれど、そんな中にこんな人々がいたなんて・・・。
それでも、当時の療養所に入るよりはマシだったというんだから、どれだけ療養所とは非人道的な所だったのか・・・と思う。
最近、私は小説の暴行シーンとか、虐待シーンとかに食傷気味になっていたが、この本では読んでいて本当に苦しくなって痛みを感じた。
これを読むと人間はどこまで残酷になれるんだろう・・・と思う。
・・・というか、ここに出てくる、笑いながら女子供に暴行したり、らい病の人々を平気で殺すのは人間なんかじゃないと思う。
見た目だけ人間の形をした獣。
彼らの暴力の矛先は常に自分より弱い者に向かう。
どこまでも徹底的に。
罪悪感の欠片もなく。
彼らのしている事も発する言葉も言葉遣いも全てが下品で暴力的で、読んでいるだけで虫唾が走るぐらい醜悪だった。
そんな中、ホッとできたのは、主人公の男性の父親が少年だった頃、そして彼を救った少女の言葉遣い。
彼らはまともな教育も受けてなくて、貧しい劣悪な環境で生きてきた訳だけど、言葉遣いが優し気で可愛らしい。
実際はそうならないかもしれないけど、そこに環境に左右されない人間性とか知性みたいなのを感じて読んでいて心がゆるんだ。
主人公の父親の大事な人々は、ずっと暗い闇の中、泥の中を生きてきた。
そんな中で、見えるという光は本当に、本当に微かなもの。
そうか。
これに幸せを感じるのか。
これさえも幸せなのか。
その生き方を見てグッときた。
こういう話だとタイトルの蛍をやたら場面で出すというのがあるけど、この本ではほんのちょっと触れているだけ。
そのほんのちょっとが、より一層効果的だった。
ちゃんと私にも見えた。