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邯鄲の島遙かなり 下
新潮社 2021.10
貫井 徳郎
∥著
(4人)
蔵書数: 1冊
貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊
予約件数: 0件
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竜王図書館 <1012449045>
貸出可 / 1F棚17/913.6チ-ハ / / /913.6/ヌ/3 / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-10-303875-7
13桁ISBN
978-4-10-303875-7
書名ヨミ
カンタン ノ シマ ハルカ ナリ
著者ヨミ
ヌクイ トクロウ
分類記号
913.6
価格
¥2300
出版者ヨミ
シンチョウシャ
大きさ
20cm
ページ数
540p
抄録
神々しい美貌の男が神生島に帰った日、血族の歴史は再び時を刻み始め…。明治維新から「あの日」の先までを鮮やかに映し出す大河小説。下は、第14~17部を収録する。『小説新潮』連載を単行本化。
著者紹介
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒。「慟哭」でデビュー。「乱反射」で日本推理作家協会賞、「後悔と真実の色」で山本周五郎賞受賞。
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進む命の物語
(2022/01/29)
あめんぼう/東温市立図書館
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上巻、中巻に引き続き、一ノ屋の子孫の物語。
今回は昭和初めから令和までの話となっている。
「明日への航路」
戦争孤児となった少年と、戦争で顔を大怪我した帰還兵。
両親が亡くなり途方に暮れていた少年を帰還兵の青年が引き取り一緒に暮らすようになる。
青年には幼馴染の女性がいて、少年から見ても二人は相思相愛なのに、お互い初心で恋愛は進展しない。
やがて、女性は他の男性とつき合うようになり結婚してしまう。
青年の方は島の復興に尽力し、島と都会を行き来する中で出会った女性とつき合うようになる。
それを近くで見てやきもきする少年の様子が描かれている。
「野球小僧の詩」
野球が好きな5人の少年。
彼らは中学に進学し野球部に入るが、先輩たちはあまりにも野球が下手くそで、入ったばかりの5人より劣っている事からくさって全員退部してしまう。
5人では野球は出来ない。
何としても部員を9人にしなくては・・・と5人は部員を集める。
集めた中には、野球経験の無い者を初め女性もいた。
やがて、何とか人数が揃った野球部は都会へ試合に行く事になる。
割と野球パートが丁寧に描かれた作品。最初、何とか部員を集めようとしている様子など、水島新司のマンガを思わせた。部員集めから試合の遠征費など全部自分たちで賄っているというのにたくましいな・・・と思った。
今なら部活の世話もお金も親が出すのが当たり前だけど、そうでない所に熱意を感じた。
「一ノ屋の終わり」
一ノ屋の次の跡取りとして生まれた男性。
時代は跡取りがどうの、一ノ屋がどうのという考えは古いという所まできていたが、彼の父親は一ノ屋として血筋を残さなければ・・・と思っており、主人公もその圧を感じている。
所が、彼は成長途中で自分は女性に興味がなく、男性が好きだという事に気づく。
彼には幼馴染の女性がいて彼女には心情を話しているが、彼女は美人で歌手になるため都会へ行ってしまう。
「邯鄲の島遥かなり」
島の火山が噴火し、島民は皆島を離れて東京に避難する。
一ノ屋の子孫である女性は最初、家族たちと東京で暮らしていたが、やがて島に帰れるようになっても一人で都会に残る。
そんな折、東北で震災があり彼女はそこにボランティアとして赴く。
そこでヒッピーのような青年と知り合いやがてつき合うようになる。
貫井さんの本だから、最後には残酷な話、殺伐とした話になるのかな・・・と思ってたらそんな事はなかった。
この本に出てくる人々は昔から今まで一貫して素朴で親切で生命力にあふれている。
ただ、面白い順に言うと、1巻、2巻、3巻となる。
時代が進む内に平板な印象なのは時代のせいだろうと感じた。
私が読んでいて思ったのは、当たり前の事だけど昔には返れないという事。
いくら昔が良かったと懐かしんでも時は返らない。
進んでいくしかない。
以前読んだ貫井さんの本で、人は進化の途中なんだ、というのがあった。
人の究極は優しい事で、今はまだそこに行き着く途中だと。
それならば、昔よりも今は人はちょっとでも優しくなっているはずだけど、実際はそうではないと思う。
この本では人の本質的なものは変わってないけれど、時代のうつり変わりにより、大きな出来事ー戦争や震災により、人の運命は変わっていく生き様も変わっていくという様を見せてくれている。
進むしかない。生きるしかない。
それを淡々と読ませてくれる本だった。
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あめんぼう/東温市立図書館
今回は昭和初めから令和までの話となっている。
「明日への航路」
戦争孤児となった少年と、戦争で顔を大怪我した帰還兵。
両親が亡くなり途方に暮れていた少年を帰還兵の青年が引き取り一緒に暮らすようになる。
青年には幼馴染の女性がいて、少年から見ても二人は相思相愛なのに、お互い初心で恋愛は進展しない。
やがて、女性は他の男性とつき合うようになり結婚してしまう。
青年の方は島の復興に尽力し、島と都会を行き来する中で出会った女性とつき合うようになる。
それを近くで見てやきもきする少年の様子が描かれている。
「野球小僧の詩」
野球が好きな5人の少年。
彼らは中学に進学し野球部に入るが、先輩たちはあまりにも野球が下手くそで、入ったばかりの5人より劣っている事からくさって全員退部してしまう。
5人では野球は出来ない。
何としても部員を9人にしなくては・・・と5人は部員を集める。
集めた中には、野球経験の無い者を初め女性もいた。
やがて、何とか人数が揃った野球部は都会へ試合に行く事になる。
割と野球パートが丁寧に描かれた作品。最初、何とか部員を集めようとしている様子など、水島新司のマンガを思わせた。部員集めから試合の遠征費など全部自分たちで賄っているというのにたくましいな・・・と思った。
今なら部活の世話もお金も親が出すのが当たり前だけど、そうでない所に熱意を感じた。
「一ノ屋の終わり」
一ノ屋の次の跡取りとして生まれた男性。
時代は跡取りがどうの、一ノ屋がどうのという考えは古いという所まできていたが、彼の父親は一ノ屋として血筋を残さなければ・・・と思っており、主人公もその圧を感じている。
所が、彼は成長途中で自分は女性に興味がなく、男性が好きだという事に気づく。
彼には幼馴染の女性がいて彼女には心情を話しているが、彼女は美人で歌手になるため都会へ行ってしまう。
「邯鄲の島遥かなり」
島の火山が噴火し、島民は皆島を離れて東京に避難する。
一ノ屋の子孫である女性は最初、家族たちと東京で暮らしていたが、やがて島に帰れるようになっても一人で都会に残る。
そんな折、東北で震災があり彼女はそこにボランティアとして赴く。
そこでヒッピーのような青年と知り合いやがてつき合うようになる。
貫井さんの本だから、最後には残酷な話、殺伐とした話になるのかな・・・と思ってたらそんな事はなかった。
この本に出てくる人々は昔から今まで一貫して素朴で親切で生命力にあふれている。
ただ、面白い順に言うと、1巻、2巻、3巻となる。
時代が進む内に平板な印象なのは時代のせいだろうと感じた。
私が読んでいて思ったのは、当たり前の事だけど昔には返れないという事。
いくら昔が良かったと懐かしんでも時は返らない。
進んでいくしかない。
以前読んだ貫井さんの本で、人は進化の途中なんだ、というのがあった。
人の究極は優しい事で、今はまだそこに行き着く途中だと。
それならば、昔よりも今は人はちょっとでも優しくなっているはずだけど、実際はそうではないと思う。
この本では人の本質的なものは変わってないけれど、時代のうつり変わりにより、大きな出来事ー戦争や震災により、人の運命は変わっていく生き様も変わっていくという様を見せてくれている。
進むしかない。生きるしかない。
それを淡々と読ませてくれる本だった。