親子の情、夫婦のもつれ、恋人とのズレ、友達の有難さ
繊細で一寸女々しい時田翼を軸に展開する優しい物語の数々。
田舎アルアルも登場し楽しめる。
寺地はるな、読むのは2作目だけどナカナカやるなぁ。

・大人は泣かないと思っていた△
・小柳さんと小柳さん○
・翼が無いなら跳ぶまでだ◎
・あの子は花を摘まない△
・妥当じゃない◎
・おれは外套を脱げない△
・君のために生まれてきたわけじゃない✕

32才団体職員の男性の周りの人々の物語。
父親のお酒などで母親が家を出ていってから、父親と2人くらし。
やさしい男性が、やさしい人々との生活で、成長していく物語。
読んだあとに、やさしくなれる気がした。

　短編７話による連作長編です、前半は普通かなと思いましたが、中盤からラストにかけては登場人物達の互いの関わり合いで揺れるそれぞれの心情について深く捉えられてる点がとても素晴らしい作品です。
　どこにでも有りそうな日常をワクワクさせる物語にするセンスの良さに舌を巻きました、他の作品も楽しみです。