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リニア新幹線
巨大プロジェクトの「真実」
集英社新書
0731
集英社 2014.3
橋山 禮治郎
∥著
(1人)
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竜王図書館 <1012015200>
貸出可 / 1F棚9/500-534 / / /516/ハ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-08-720731-6
13桁ISBN
978-4-08-720731-6
書名ヨミ
リニア シンカンセン
副書名ヨミ
キョダイ プロジェクト ノ シンジツ
著者ヨミ
ハシヤマ レイジロウ
叢書名ヨミ
シュウエイシャ シンショ
分類記号
516.86
価格
¥720
出版者ヨミ
シュウエイシャ
大きさ
18cm
ページ数
203p
一般件名
リニアモーターカー
抄録
全区間の7割が地下走行。遠隔操作で運転手不在。不便な乗り換え。穴だらけの安全対策と環境対策…。東京・大阪間を1時間で結ぶ“夢の超特急”リニア新幹線は本当に必要なのかを徹底的に検証する。
著者紹介
1940年生まれ。千葉商科大学大学院客員教授。アラバマ大学名誉教授。専門は政策評価、公共計画、経済政策。著書に「必要か、リニア新幹線」「都市再生のニュー・フロンティア」など。
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「リニア新幹線は今からでも中止した方がよい」 とする論文
(2018/04/19)
中務光人/池田市立図書館
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著者は 1940年生。千葉商大客員教授。アラバマ大名誉教授。専門は政策評価、公共計画、経済政策。日本開発銀行調査部長、日本経済研究所専務理事、政府の各種審議会の委員などを歴任。
著者は、長年大きなプロジェクトにかかわった経験と知識から、主に経済的・経営的な面からきめ細かく考察している。
著者が指摘している問題点は大きく分けて (1)このプロジェクトの目的(必要性) (2)結果予測 (3)プロジェクト決定に至る議論 を挙げている。
(1) このプロジェクトの目的(必要性)
JR東海は、(a)輸送力増強、(b)高速化、(c)老朽化や災害時の為の二重化の3点を挙げている。詳細は本書に譲るが、
(a), (b) は必要なし。(c) はもし必要だとしても、リニアである必要はなく、後述の理由から従来の新幹線がよい と結論している。
(2) 結果予測について。著者は以下の3点から検討する必要があると言う。
(a)経済性(経営面):
リニア新幹線の莫大に建設費に対して、今後の人口減少・山陽新幹線などと同一軌道で繋がる東海道新幹線に比べて
利便性に劣ること等から、需要は伸びず、また需要のかなりの部分は東海道新幹線からの転移なのでJR東海としては減益となる。
現に 2013年に当時の山田社長は 「決してペイしない」 と公言している。
(b)技術的信頼性:
南アルプスの下を含む、東京-名古屋間の 86% を占めるトンネル~深部地下での工事に伴うリスク。
トンネル区間での停電・地震・落盤 等々の事故の際の脱出。さらにリニアの技術自体の未熟性。など
(c)環境面:
トンネル掘削に伴う残土をどうするか。地下水破断に伴う河川の流量低下。消費電力は通常新幹線の3倍またはそれ以上と
言われている。また電磁波の影響も未知数である。
(3) プロジェクト開始に至る議論
国土交通省の審議会とその下に置かれた委員会で決定されており、国会では全く審議されていない。委員会の審議は20回あり、
著者はほとんどの委員会を傍聴したそうであるが、実効性のある議論はされていないとのこと。
また、審議中、パブリックコメントでは、否定的な意見が多かったにもかかわらず、安直にゴーサインを出している。
環境評価も、実質的なゴーサインが出た後に、JR東海自体が行い、報告も環境省でなく、国土交通省に提出されている。
非常に杜撰な審査である と。
著者の結論は、少なくとも経営的には絶対にうまくいかないので、リニア方式の新幹線は今からでもぜひ中止すべき。それにかわるものを建設するのなら、既存方式の中央新幹線を。
著者は、プロジェクトの評価などを長年経験してきており、「このプロジェクトを中止すべき」 という結論は非常に説得力がある。ただ、私は結論の導き方に少し強引さを感じた部分もあった。
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著者は、長年大きなプロジェクトにかかわった経験と知識から、主に経済的・経営的な面からきめ細かく考察している。
著者が指摘している問題点は大きく分けて (1)このプロジェクトの目的(必要性) (2)結果予測 (3)プロジェクト決定に至る議論 を挙げている。
(1) このプロジェクトの目的(必要性)
JR東海は、(a)輸送力増強、(b)高速化、(c)老朽化や災害時の為の二重化の3点を挙げている。詳細は本書に譲るが、
(a), (b) は必要なし。(c) はもし必要だとしても、リニアである必要はなく、後述の理由から従来の新幹線がよい と結論している。
(2) 結果予測について。著者は以下の3点から検討する必要があると言う。
(a)経済性(経営面):
リニア新幹線の莫大に建設費に対して、今後の人口減少・山陽新幹線などと同一軌道で繋がる東海道新幹線に比べて
利便性に劣ること等から、需要は伸びず、また需要のかなりの部分は東海道新幹線からの転移なのでJR東海としては減益となる。
現に 2013年に当時の山田社長は 「決してペイしない」 と公言している。
(b)技術的信頼性:
南アルプスの下を含む、東京-名古屋間の 86% を占めるトンネル~深部地下での工事に伴うリスク。
トンネル区間での停電・地震・落盤 等々の事故の際の脱出。さらにリニアの技術自体の未熟性。など
(c)環境面:
トンネル掘削に伴う残土をどうするか。地下水破断に伴う河川の流量低下。消費電力は通常新幹線の3倍またはそれ以上と
言われている。また電磁波の影響も未知数である。
(3) プロジェクト開始に至る議論
国土交通省の審議会とその下に置かれた委員会で決定されており、国会では全く審議されていない。委員会の審議は20回あり、
著者はほとんどの委員会を傍聴したそうであるが、実効性のある議論はされていないとのこと。
また、審議中、パブリックコメントでは、否定的な意見が多かったにもかかわらず、安直にゴーサインを出している。
環境評価も、実質的なゴーサインが出た後に、JR東海自体が行い、報告も環境省でなく、国土交通省に提出されている。
非常に杜撰な審査である と。
著者の結論は、少なくとも経営的には絶対にうまくいかないので、リニア方式の新幹線は今からでもぜひ中止すべき。それにかわるものを建設するのなら、既存方式の中央新幹線を。
著者は、プロジェクトの評価などを長年経験してきており、「このプロジェクトを中止すべき」 という結論は非常に説得力がある。ただ、私は結論の導き方に少し強引さを感じた部分もあった。