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<いのち>とがん
患者となって考えたこと
岩波新書 新赤版
1759
岩波書店 2019.2
坂井 律子
∥著
(1人)
蔵書数: 1冊
貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊
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竜王図書館 <1012350276>
貸出可 / 2F棚8/新書 / /S/493.4/サ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-00-431759-3
13桁ISBN
978-4-00-431759-3
書名ヨミ
イノチ ト ガン
副書名ヨミ
カンジャ ト ナッテ カンガエタ コト
著者ヨミ
サカイ リツコ
叢書名ヨミ
イワナミ シンショ シンアカバン
分類記号
493.475
価格
¥820
出版者ヨミ
イワナミ ショテン
大きさ
18cm
ページ数
7,243p
一般件名
膵臓癌 闘病記
抄録
突然の膵臓がん宣告、生きるための治療の選択、術後の戸惑い、届かぬ患者の声、死の恐怖…。患者となって初めて実感した<いのち>の問題を、赤裸々に真摯に哲学する。2人に1人ががんになる時代の、いのちをめぐる提言の書。
著者紹介
1960年生まれ。東京大学文学部卒業後、NHK入局。福祉、医療、教育などの番組に携わる。山口放送局長、編成局主幹を務める。著書に「ルポルタージュ出生前診断」など。
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ボコを戦地には征かせない
(2019/02/25)
ゲンゴロウ/甲斐市立図書館
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断捨離で書庫を整理していたら、月刊文芸誌『群像』2007年10月号が出てきた。表紙に「戦中未発表詩発見 金子光晴」とあり、手に取ってしまった。
「鉄瓶も火鉢も釘も、金火鉢も、
鋳直して軍艦や大砲にするやうに、
人間も考へたり、味ったり、生活することをためて、
一つの型にゆくり直す。戦力として送りだすため。
十九歳のボコも。
五十歳の父も。」(戦争)
「ボコはみあげてゐる、
雲に吸ひあげられた
水柱のやうな富士を。
また、ブリキを張めぐらして
どぎつく反射す富士を。
嶮しい、富士を。また
襟白粉をつけた
じだらくな富士を。
政治に利用されぬ
もっと素朴な富士を。
あのすなほな完成を
ボコはながめつづける。」(裏富士にて)
「ボコよ。この高さまでは、
さすが戦争も届かないよ。
海底から錨をひきあげるやうに、
われわれは自個をひきあげる。」(赤倉のおもひで)
「ボコは、けふ三月一日の
誕生日を祝ふ。
雪のすり鉢の底で、
こたつには炭がいっぱい。
(中略)
ボコの若さは
本のなかであそぶ。
ボコのこひびとも
本のなかにゐて微笑む。
ボコを本に与へる方が
まだしもだ。
戦争にやるよりは。」(ボコの二十歳の誕生日)
「ボコ」は甲州方言で「こども」だ。金子はひとり息子を「ボコ」と呼ぶ。家族三人で昭和18年11月から山中湖平野に疎開してきた。平野の人々とから「ボコ」ということばを得たのだろうか。金子夫妻はひとり息子を戦地へは送るまいと、18年と20年の二度の徴兵を「息子の病気」を理由に回避した。
養蚕の盛んな頃「かいこ」を「おぼこさん」と呼んでいた。「かいこもこども」もだいじな、だいじな「おぼこさん」だった。
「おぼこさんがひきはじめた」(かいこ)
「このぼこはえらいはしっこいじゃん」(こども)
甲州方言が、歴史に残った「詩」に生きている。
NHKアーカイブ
https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0016010064_00000
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「鉄瓶も火鉢も釘も、金火鉢も、
鋳直して軍艦や大砲にするやうに、
人間も考へたり、味ったり、生活することをためて、
一つの型にゆくり直す。戦力として送りだすため。
十九歳のボコも。
五十歳の父も。」(戦争)
「ボコはみあげてゐる、
雲に吸ひあげられた
水柱のやうな富士を。
また、ブリキを張めぐらして
どぎつく反射す富士を。
嶮しい、富士を。また
襟白粉をつけた
じだらくな富士を。
政治に利用されぬ
もっと素朴な富士を。
あのすなほな完成を
ボコはながめつづける。」(裏富士にて)
「ボコよ。この高さまでは、
さすが戦争も届かないよ。
海底から錨をひきあげるやうに、
われわれは自個をひきあげる。」(赤倉のおもひで)
「ボコは、けふ三月一日の
誕生日を祝ふ。
雪のすり鉢の底で、
こたつには炭がいっぱい。
(中略)
ボコの若さは
本のなかであそぶ。
ボコのこひびとも
本のなかにゐて微笑む。
ボコを本に与へる方が
まだしもだ。
戦争にやるよりは。」(ボコの二十歳の誕生日)
「ボコ」は甲州方言で「こども」だ。金子はひとり息子を「ボコ」と呼ぶ。家族三人で昭和18年11月から山中湖平野に疎開してきた。平野の人々とから「ボコ」ということばを得たのだろうか。金子夫妻はひとり息子を戦地へは送るまいと、18年と20年の二度の徴兵を「息子の病気」を理由に回避した。
養蚕の盛んな頃「かいこ」を「おぼこさん」と呼んでいた。「かいこもこども」もだいじな、だいじな「おぼこさん」だった。
「おぼこさんがひきはじめた」(かいこ)
「このぼこはえらいはしっこいじゃん」(こども)
甲州方言が、歴史に残った「詩」に生きている。
NHKアーカイブ
https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0016010064_00000