自分と同年代作家で、久しぶりに読むＳＦです、難しい表現が多々有りますがルビが有るので読みやすいです。
　人生の半分を終えた著者や自分も含め多くの方たちが持つ老化への不安をテーマに、作品内では不老化治療が標準化した社会が少しずつ疲弊していく様子を現実味をもって読者に迫ります。
　内容はＳＦですが決して未来のことではありません、現に医療が進歩し多くの現象が物語りとリンクしていると思います、半世紀後の未来の表現も現実味が有り本作品の醍醐味になってます。
　自分が読む作品としては模倣犯以来の長編で疲れましたが、下巻が楽しみです。