語り手を替える三章構成が巧く効いている

育児に積極的に参加し、妻に理解のある理想的な夫であると信じている田原秀樹。
だが妻の香奈は秀樹の言動に強いストレスを感じていた。

秀樹の祖母、志津は自宅で寝たきりの夫銀ニの世話を甲斐甲斐しくやっていたが、過去には激しいＤＶを受け、それが原因で子どもを二人も亡くしていた。

食人鬼〔ぼぎわん〕を呼び寄せたのは志津であり、秀樹の元へ向かわせたのは、秀樹に憎しみを抱くの学生時代の友人、唐草大吾だった。

霊媒師の比嘉琴子のキャラクターも際立っていて、
是非ともシリーズ化して欲しい作品。

　分からない対象の最小限の描写で十分恐怖を煽りどんどん読み進めたくなる、自身ホラー好きではないが面白かった。
　また、部外者との共感が持てた所も良かったです、引き続き著者の作品を読書中です。