本書は1935年秋にイェール大学で一般聴衆のために行われたシリマン講座の講義録。ここには「銀河と宇宙に関する現代の天文学のすべてがすでにここに書かれている」とのこと。著者のハップルは、近代天文学の基礎を築いた天文学者でその時点での宇宙論のすべてが凝縮されている。ハップルの業績としては「ハップル分類の発明」、「銀河内の変光星の発見」、「宇宙膨張の発見」である。とくに「宇宙膨張の発見」は後の「ビックバン理論」のきっかけとなったと言われている。宇宙膨張については「遠くにある銀河ほど速いスピードで遠ざかっていることを発見した」と述べているに過ぎないが。
ちなみに、星までの距離はどのように測定するかは「人物でで語る物理入門」〈岩波新書、米沢富美子著〉に詳しい。