◆新着おすすめ本 2018.9月号

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一般書(文芸書)

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『村上春樹語辞典』  ナカムラクニオ 道前宏子 著  誠文堂新光社


最近、ノーベル賞発表の時期になるとハルキストが集まるブックカフェ「6次元」。そのカフェの店主と運営者が書いた辞典です。村上春樹さんに関する作品だけでなく、関係するヒト・モノ・コトも幅広く載っています。私は辞典を見ているうちに、新たに読みたい作品が見つかりました。村上春樹さんに、詳しい方も興味がある方ももちろんですが、詳しくない方はぜひページをめくってみて下さい。新たな発見があるかもしれません。

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『方言でたのしむイソップ物語』  安野光雅 絵・文  平凡社


「あるところに、犬がおったんといね。その犬が口に肉をくわえたまんま、橋をわたろうとしたんといね。・・・」イソップ物語をこよなく愛する著者は膨大な数の装丁、絵本も手掛ける92歳です。国際アンデルセン賞、菊池寛賞など多くの賞を受賞し、今でも毎日6時間は絵を描いているそうです。各地の方言を大切に残したいという願いを込めて翻案し書き下ろされた1冊にはどこか懐かしく身につまされるお話が詰まっています。味わってみてください。

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『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業』  夏井いつき 著  PHP研究所

 

現在、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・webなど各種メディアで活躍中の俳人、夏井いつき氏により俳句の作り方がわかりやすく解説されている一冊です。小学生からシニアまで年齢を問わず、初心者でも気軽に俳句が作れるような内容となっています。身の回りの出来事を素敵な俳句にして、芸術の秋を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

一般書(実用書)

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『ドライフラワーでつくる花束飾り 華やかなスワッグ』  Kristen 著  日東書院本社


最近注目を浴びている、つるして飾るドライフラワーの花束「スワッグ」の作り方について書かれた本です。25点の春を中心としたさまざまな作品が作り方とともに掲載されており、制作上の注意やポイント、より良い材料の扱い方などもあり分かりやすい一冊となっています。一時間程度で完成できるほど簡単で、数カ月から一年以上も、家の中で季節の花束を楽しむことができます。

 

一般書(その他)

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『神社とお寺 おいしいお詣りスイーツ』  大浦春堂 著  講談社


旅行で神社やお寺にお詣りに行った際、参道や門前にお土産屋があり、そこに行くのも楽しみのひとつです。由加神社本宮にある、倉敷の人々に400年間愛され続けている「あんころ餅」は、大名行列のお接待で誕生した餅です。また、鹿島神宮は、境内にある御手洗池から湧き出る御神水を仕込み水としてビールを醸造しています。聖護院には、「法螺貝餅」といって、クレープのように焼いた皮を巻いた厄除けのお菓子があります。このように、全国の観光名所の社寺の解説や名物が65か所写真に紹介され、スイーツ好きな人も思いを馳せ、旅行に行ってみたくなるような、発見があります。

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『デートで初めて行った映画は何ですか?』  柴田こずえ 取材・文  岩崎書店


恋人と、あるいは好きな人と、一度は一緒に映画を見に行ったことのある人も多いのではないでしょうか。この本では20代から60代までのさまざまな職業の大人たちが、デートで初めて行った映画とそれにまつわる恋の思い出を語っています。懐かしい作品やあなたにとっても思い出の一本だという作品も載っているかもしれません。あなたがデートで初めて行った映画は、なんですか?

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『子どもと木であそぶ』  岩谷美苗 著  東京書籍


身近な木の葉や実を使った様々な遊びが紹介されている一冊です。タラヨウの葉に字を書いたり、カツラの芳香剤を作ったり、ムクロジで洗濯ごっこをしたり……みなさんは、このような遊びをした事がありますか。観察して、集めて、楽しんで、中には食べてみることのできるものも紹介されています。外に出て遊ぶ機会の増える今からの時季におすすめの本です。ぜひ、お子さんと一緒に、自然遊びを楽しんでください。

ヤング・アダルト(中高生向き)

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『空飛ぶ救命救急室ドクターヘリの秘密』  和氣晃司 著  彩流社


フライトドクターが患者に救急医療を施しながら搬送するヘリコプターを知っている方も多いと思います。機内に搭載された様々な医療機器にはじまって、ドクターヘリのクルーに「なるには」まで、ドクターヘリのすべてが一冊に入っています。実際にはテレビドラマのようにカッコよくとはいかないようですが、自然災害大国の日本です。1970年にいち早くドクターヘリを導入したドイツのように、医師が15分以内に治療を開始する「15分ルール」を目指すなど、さらなる拡充に向かって躍進していくことを期待しています。

 

小学生向き

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『惑星MAPS~太陽系図絵~』  宇宙兄さんズ 著  子供の科学編集部 編  イケウチリリー 絵  誠文堂新光社


地球から近い星、火星から始まり、月を含めた太陽系の星々で暮らすとしたら?ということが書かれています。それぞれの星の大きさや重力、どのような惑星かといった特徴も紹介されています。NASAが撮影した惑星の写真も出ていて、それぞれの惑星で暮らすことが全くの夢物語ではなく、将来きっとこうなるのかな?とワクワクしました。

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『わけあって絶滅しました。』  丸山貴史 著  ダイヤモンド社


悲しくも絶滅してしまった動物たちにはいったい何が起こったのでしょうか。地球環境の変化や、ライバルの出現、人間の脅威など様々な理由を分かりやすく、また面白く解説しています。驚くような絶滅理由や、ため息が出てしまうほど切ない理由だけでなく、まだ絶滅せずに頑張っている動物たちも紹介されています。自然保護や環境、また、生き物に対して楽しく興味を持つことのできる一冊です。

みんなが知りたい!「世界のふしぎ」がわかる本 新版.jpg

『みんなが知りたい!「世界のふしぎ」がわかる本 新版』  カルチャーランド 著  メイツ出版  


世界にはたくさんの不思議があります。ピラミッドは何のために作られたのでしょう?七夕で有名な「天の川」って何のことなのでしょう?日本にある古墳もその一つですね。皆さんは、その答えを知っていますか?この本では世界の不思議について解説してくれています。……とは言え、現在でも解明させていない不思議もたくさんあります。みなさんもこの本を読んで、世界の不思議にどのような由来や理由があったかを考えてみてください。

星空を届けたい.jpg

『星空を届けたい』  髙橋真理子 著  早川世誌男 絵  ほるぷ出版


「病院がプラネタリウム」は、病気や障害などで、ホンモノの星を見ることができない人たちのために、移動プラネタリウムによって星を届けるプロジェクトです。著者の髙橋真理子さんは、1997年から山梨県立科学館の職員としてプラネタリウムに携わり、2013年に独立し、現在は出張プラネタリウムで様々な人たちに星を届けています。この本では、北杜市明野町で見た星空の話や、山梨県で活躍する人たちに協力してもらいながら、プラネタリウムで放映する多くの番組を作った話など、山梨県民に身近な話がたくさん出てきます。著者の行動力や情熱に感心しながら読みました。これから空も澄んでくる季節、皆さんも久々に星を見る時間をつくってみてはいかがでしょうか。

絵本

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『さんぼんぼうってなんだろう』  高橋秀雄 作  えがしらみちこ 絵  鈴木出版


妹のなつみが熱をだし、お姉ちゃんは心配でたまりません。「なにかたべたいものないの?」と聞くと、なつみは「さんぼんぼう」と答えます。さんぼんぼうってなんでしょう?お姉ちゃんは考えますが、なかなか当たりません。妹のために一生懸命「さんぼんぼう」を探すおねえちゃんの姿がかわいくて、姉妹っていいなと思わせてくれる絵本です。

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『私はどこで生きていけばいいの?』 ローズマリー・マカーニー 文  西田佳子 訳  西村書店


世界には危険がせまり家をなくしたため、難民となってしまった人々が、平和な場所を探しながら必死で生きています。それでも子ども達のかがやく笑顔には夢や希望があふれています。いつの日かかならず幸せがおとずれますように、そう祈らずにはいられない、そんな1冊です。

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『うみまだかな』  うちむらたかし 作  クレヨンハウス


今日は家族で海に出かける日です。ぼくは海に行くことがとても楽しみで、泳いだり、砂浜で遊んだり、海についたときに何をするかいろいろ想像しています。しかし、景色は変わっていくのに海にはなかなかつきません。海に行くワクワクを抑えきれないぼくの姿が微笑ましい作品です。

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