◆新着おすすめ本 2018.4月号

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一般書(文芸書)

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『ご機嫌な習慣』  松浦弥太郎 著  中央公論新社


『暮らしの手帖』の編集長をされていた松浦弥太郎さんのエッセイです。暮らしの中でふと感じたこと、思ったことが書かれています。「ご機嫌に生きるための習慣」「学校では教えてくれなかった大事なこと」などの章にわかれています。ふと語りかけられるような文章で、大体が見開き1ページ程度におさまっているため、忙しい生活の息抜きに読んでみるのはいかがでしょうか。

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『お布団はタイムマシーン』  木皿泉 著  双葉社


著者は、テレビドラマ「野ブタ。をプロデュース」などを手掛けた、夫婦共同執筆の脚本家です。シリーズ3作目となる今回のエッセイ集は、新聞などの連載や、芥川賞作家である藤野千夜さんとの対談も収録しています。家族との出来事や、皆の身近にあるものも、著者の目線でつづられた文章は、読むと新鮮な感覚を覚えます。新しい発見をしたり、忘れていた感覚を思い出してジーンとしてしまいました。気づくとページをめくって、ついつい読んでしまう面白いエッセイでした。

 

一般書(実用書)

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『農家が教える梅づくし』  農文協 編  農山漁村文化協会


梅と言ったらおにぎりや梅酒を想像しますが、本書は、梅の発酵液で消炎作用、抗潰瘍作用に効果があるという事例や、黒焼き梅で150歳まで長生きすると豪語する仙人や、体の痛みがとれる烏梅の作り方、体に活力が出て夏バテしない発酵梅ジュースなど、梅のパワーの源を知ることができます。おいしい梅干しの作り方、梅を使っておいしい料理、ドレッシング、梅ジャム等の加工品や栽培方法など、たくさんの知識の情報が詰まっています。昔から梅の木が庭にあれば「医者知らず」といいますが、まさにそのとおりですね。別冊現代農業を単行本化したものです。

 

一般書(その他)

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『大きな縄張図で歩く!楽しむ!完全詳解 山城ガイド』  加藤理文 監修  学研プラス


地形を生かして築かれた山城は、敵襲から身を守るために様々な工夫がなされているため、「縄張図」を読みとけるとその城にどのような仕掛けがあるのかわかります。縄張図の記号の読み方だけでなく、各城の歴史が分かりやすい文章と復元イラストで紹介され、現在の写真も載っているので、読んでいるだけでも実際に旅をした気分になれます。武田信玄が生まれた場所であるとの逸話が残る山梨の「要害山城」も紹介されています。地形を生かした技術と知恵に驚かされる一冊です。

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『おかげさまで、注文の多い笹餅屋です』  桑田ミサオ 著  小学館


2018年に91歳になられた笹餅名人の桑田さん。津軽半島の五所川原市で笹餅を作り始めたのは60歳を過ぎてから。75歳で「笹餅屋」を起業、80歳で廃止の危機に追い込まれた津軽鉄道を盛り上げようと「ストーブ列車」内で販売を始めると瞬く間に全国から注文が入るようになります。その笹餅は製粉からこしあん作り、笹採りまでも全て桑田さんひとりの作業で作り上げられているそうです。1日150袋販売される1袋2個入り150円の笹餅を求めて津軽半島に出かけたくなる一冊です。

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『日本で1日に起きていることを調べてみた 数字が明かす現代日本』  宇田川勝司 著  ベレ出版


本書では、現代の日本で起きている様々な事象をそれぞれ数字によってデータ化し解説した情報が掲載されています。内容は、「1日あたりの全国の鉄道利用者数」や「1日に結ばれるカップルと別れるカップル」などバラエティに富んだ内容となっており、思わぬ発見の連続に目からうろこが落ちるかもしれません。

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『奇岩の世界』  山田英春 編  創元社


様々な国にある自然が作り上げた奇妙な形の岩の写真集です。人面岩や、驚異のバランスの岩、神話や言い伝えが残された岩などがあります。日本の岩では、三重県の地蔵岩が載っています。それぞれの岩の通称もおもしろく、実際に見に行きたくなる一冊です。

ヤング・アダルト(中高生向き)

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『意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語』  氏田雄介 作  佐藤おどり 絵  PHP研究所


全ての物語が54字ピッタリで終わる超短編小説集です。全90話収録されています。たった54字から読み取れる物語の内容を想像しながら読んでみてください。1話毎に「解説」があり、これを読んで物語の意味が分かると楽しさ倍増です。巻末には物語の作り方のルールやコツも掲載されています。この機会にみなさんも自由な発想でオリジナルの物語を考えてみてはいかがでしょうか。

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『はじめての研究レポート作成術』  沼崎一郎 著  岩波書店


はじめて自分で何かを調べてレポートにまとめようとする人のための入門書です。研究というと難しく考えてしまいますが、「勉強」ができるようになるために必要なものを身につけることに対し、「研究」は知られていない事実についてよく調べて事実を明らかにすることです。研究レポートとはその結果をまとめたものです。サービスやアプリが無料で提供されるGoogleドライブを使った研究作成も紹介されています。

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『「ふつう」ってなんだ? LGBTについて知る本』  特定非営利活動法人ReBit 監修  学研プラス


日本では、「男」か「女」で単純に性別を分けられない人が、40人の教室に約3人の割合でいるそうです。LGBTという言葉がさまざまな場面で見られるようになり、広く知られるようになってきました。それでも、言葉は知っていても実はどんなことを表わすのか知らなかったり、誤解して理解していたりする人も多くいるのが現状です。タイトルのように「ふつう」ってなんだろうという視点から、LGBTについて知ることは、いつか身近な誰かを助ける力になるかもしれません。

 

小学生向き

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『かわいいパンダ』  周孟棋 写真  岩谷季久子 編訳  樹立社


目も耳も顔も体もみんな丸でできている愛らしいパンダは子どもにも大人にも大人気です。パンダは私たち人類よりもはるか昔に地球上に誕生していて「生きた化石」とも言われているそうです。竹の葉が大好きなパンダですが、氷河期以前は肉食だった?!などパンダの生態についても載っていて大人も楽しめる一冊です。人々を魅了してやまないパンダ、写真もかわいらしいだけじゃない秀逸なショットが満載です!ぜひとも本物を見に行きたくなります。

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『はるのくさばなあそび』  佐野高太郎 著  ひさかたチャイルド


この本を見ると、子どもの頃シロツメクサの花かんむりをお母さんに作ってもらったこと、授業でため池の周りに咲いているオオイヌノフグリやナズナ、カキドオシを観察したことを思い出しました。子どもでもわかりやすい花かんむの作り方や、草花遊びが紹介されています。ようやくあたたかくなってきたので、屋外で遊びながら本をヒントに春の植物に触れてみませんか?

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『王さまのスプーンになったおたまじゃくし』  さくら文葉 作  佐竹美保 絵  PHP研究所


春になり、くいしんぼうのおたまじゃくしは、王さまのスプーンになればいつでも王さまとごちそうをたべれると思いました。やまぎの木におしえてもらい、りっぱなスプーンになったおたまじゃくし。最初は不思議に思っていた王さまも、すなおなスプーンがとっても気に入り、一緒にものを分け合って食べる喜びを知りました。ごちそうはひとりで食べてもおいしくないです。だれかといっしょだと、どんなものでもおいしいかもしれませんね。

絵本

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『密林一きれいなひょうの話』  工藤直子 おはなし  和田誠 え  瑞雲舎


つやつや、ぴかぴかのきれいなはんてんが自慢のひょうがくしゃみをして目覚めると、じまんのはんてんが3つしかありません。ひょうは、ごはんの時間も、ひるねの時間も、はんてんを探して歩きます。すると、はんてんはちょうになって飛んで行ってしまったと分かります。はんてんがなくなり泣きそうになったひょうに、まんとひひが名案を教えてくれます。それは…。工藤直子さんのおはなしと和田誠さんの絵がマッチして、読むと楽しい気持ちになる、春にぴったりの絵本です。

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『もうちょっと もうちょっと』  きむらゆういち 文  高畠純 絵  福音館書店


コブタが見つけたりんごが、コロコロコロと岩のあなの中へ転がってしまいました。手を伸ばしてもうちょっとで取れそう、というそのとき、ツンッ!とりんごを奥に押してしまいました。サルやキツネもりんごを取ろうとしますが、なかなか取れずにどんどんあなの奥へ入ってしまいます。さて、このりんごはどうなってしまうのでしょうか?

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『ワタナベさん』  北村直子 文  偕成社


ワタナベさんは、おいしいものをつくるナベ。おでんやカレー、たきこみごはんなどおいしいおいしいお料理をつくります。そこにきたのはナポリタンの注文でした。フライパンではないのでつくれない…?でもワタナベさんは考えます。おいしいナポリタンをつくるには。最後のページのレシピをみるとなるほど!ママの時短料理としてもぴったりです。

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