◆新着おすすめ本 2017.12月号

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一般書(文芸書)

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『ていだん』  小林聡美 著  中央公論社


女優小林聡美さんがゲスト36人と紡いだ対話集。二人で向かい合って話す「対談」ではなく、何人かが集まってする「座談」でもなく、三人で向かい合って話す「ていだん」であるからこそ適度で心地のいい距離感があり、様々なジャンルで活躍されている方々からの刺激やインスピレーションを感じとれる、とっても贅沢な一冊です。個人的には東京子ども図書館の松岡享子さんか語る、石井桃子さん像が印象深く心に残りました。これからの人生をきっと豊にしてくれるだろうきっかけが見つかるかも知れない一冊です。

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『アゲハの公約』  三萩せんや著  河出書房新社


過疎化が進む故郷を復活させるため、市長選に立候補することになったアゲハ。裏公約、公職選挙法違反、まさかの再選挙をのりこえて、アゲハの戦いは続きます。混乱の選挙戦をとおして、アゲハは故郷の市長になれるのでしょうか?先日、衆院解散総選挙が行われたばかりで、とてもタイムリーな作品です。「選挙」というと堅い印象を受けますが、選挙の仕組みも分かり、気軽に読める1冊です。

 

一般書(実用書)

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『魔法のホットケーキミックスのおやつ303』  学研プラス


ホットケーキミックスはホットケーキを作れるだけではないのです。パンも作れてしまいます!パンを作るには発酵させなければなりませんが、ホットケーキミックスに「あるもの」を混ぜれば発酵しなくても作れてしまうとか。もちろん甘くて美味しそうなパンケーキのレシピもたくさん載っています。ケーキや、肉まん、さらにおやつにぴったりのドリンクレシピも載っています。すぐに実践してみたくなる一冊です。

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『ゆる自炊弁当BOOK 弁当作りも意外に簡単らしい』  オレンジページ


自分や家族が食べる弁当だもの、家にあるありきたりの材料と調味料で気取らず、気張らずゆるく作りましょう。こうして出来たゆる自炊弁当は心にも懐にも優しいはずです。ポイントを押さえた工程毎の写真に火加減と時間が、更に巻末にはおすすめの保存方法も載っていて、調理初心者のやる気をそそるカラフルな1冊です。

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『サクラ先生が教える!コウノドリ妊娠・出産Q&Aブック』  鴻鳥サクラ 著  宋美玄 監修  鈴ノ木ユウ 絵  講談社


ドラマ化し大人気の漫画「コウノドリ」の主人公・聖ペルソナ総合医療センターの鴻鳥サクラ先生が、妊娠を希望する女性・妊娠中の女性の疑問に回答してくれます。20~40代女性にアンケート調査を実施し、リアルな疑問・悩みに答えてくれます。

 

一般書(その他)

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『仕事がサクサクはかどる コクヨのシンプル整理術』  コクヨ株式会社 著  KADOKAWA


文房具やオフィス家具などを販売している「コクヨ」の社員が実践している整理術を100個紹介しています。「コクヨ」だから自社製品を使った整理術ばかりが紹介されているのか…と思いきや、全くそんなことはありません。「ファイルボックスは1個しか持たない」「小さいものは重ねない」など各個人が工夫している状況を、カラー写真を載せて紹介しています。自分の職場にあった整理術が見つかるかもしれません。

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『イラストでわかる 今日からあがらずに話せるコツ』  鳥谷朝代 著  リベラル社


「あがり症克服協会」の代表理事を務めている鳥谷氏が、すぐに実践できる、あがらずに話せるコツを42個紹介しています。「しっかり準備をする」「失敗した経験をプラスにする」といった事前の準備から、あがってしまったときには「意識して呼吸する」「目線をあげる」などの、あがりが止まるテクニックもあります。イラストやチェックリストがあり、すぐにできるコツが満載です。私も本番はあがってしまうので、是非試してみたいと思いました。

ヤング・アダルト(中高生向き)

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『昔話法廷 Season2』  NHK Eテレ「昔話法廷」製作班 編  オカモト國ヒコ 原作  イマセン 法律監修  伊野孝行 挿画  金の星社


昔話の登場人物を現代の裁判員裁判で裁くという、異色のテレビ番組の書籍化第2弾。今回の被告人は「アリとキリギリス」のアリ、「舌切りすずめ」のすずめ、「浦島太郎」の乙姫の三人。証人の主尋問と反対尋問、被告人の主尋問と反対尋問と、実際の裁判と同じ流れで裁判が進み、最期は裁判員が判決を協議します。しかし、判決は下されず話は終わります。読んだ私たちが裁判員ならどのような判決を下すのか。現代の裁判員制度についても考えさせられる、ちょっとブラックな法廷寓話です。

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『自分のことがわかる本 ポジティブ・アプローチで描く未来』  安部博枝 著  岩波書店


自分の将来像を描くにあたり、自分の内面や行動を振り返ることは必要不可欠です。しかし、やり方がわからなかったり難しく考えすぎて困った経験はありませんか?この本では、ポジティブ・アプローチという考え方に基づき、色々な角度から「自分」について知る方法を紹介しています。なりたい自分を見つけるため、参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

小学生向き

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『ねだんのつかない子犬きららのいのち』  今西乃子 著  浜田一男 写真  岩崎書店


飼い主に捨てられた子犬のきらら、やさしい人に救われ育ててもらいました。さんぽに行っても血統書付きの犬ばかりにきららは落ち込みます。でも飼い主の母ちゃんを幸せにできるのは値段の高い犬でも血統書付きの犬でもないきららなのです。犬と人間の愛情を描いています。私もそんな犬を飼ってみたいと思いました。

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『続・10歳の質問箱 なやみちゃん、絶体絶命!』  日本ペンクラブ子どもの本委員会 編   小学館


「進学校に行ったら幸せになれるの?」、「どうして本なんか読まなくちゃいけないの?」など、子どものなぜ?に森絵都さん、あさのあつこさんなどの作家たちが答えてくれます。子ども向けにうまくかみ砕いて解説してくれた内容がとてもわかりやすいです。子どもの素朴な疑問に大人が大真面目に答えるこの本は、子ども向け人生相談本ですが、大人が読んでも納得できる解説や励まされる言葉があり、おすすめです。

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『あした飛ぶ』  束田澄江 作  しんやゆうこ 絵  学研プラス


小学6年生の星乃は、お母さんと一緒に実家の姫島に引っこしてきました。長野県から鹿児島県へと旅をする蝶のアサギマダラは、春と秋に姫島へやってきます。アサギマダラを通して知り合った瑠流、そして、心を閉ざしていたクラスメートや親子の関係があきらかになっていきます。小さな昆虫が、がんばっている姿に勇気がわいてきます。小川未明文学賞大賞受賞作品です。

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『文様えほん』  谷山彩子 作  あすなろ書房


文様とは着るものや日用品、建物などを飾りつけるために描かれた模様の事で、その形ならではの名前と意味があります。本の中には、日本だけでなく世界の植物、動物、自然や季節などのたくさんの美しい文様が紹介されています。町の中で家の中で意外に身近な文様を探してみませんか。

絵本

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『ひげじまん』  こしだミカ 作  小学館


ひょうしの絵がはくりょくがあります。おおなまずのじまんのひげと、だれのひげでしょう。おおなまずはせまくなったいけからたびにでてひげをじまんしたくなりました。なんとひげをプロペラにして、そらたかくしゅっぱつ。しょうぶのあいてをみつけてははねとばされ、3かいめは、じめんにきゅうこうか。そのあとは、思いがけないけつまつです。おんせんがふきだしたのです。さむくなるこれからの季節に、たのしくあたたかくなりそうな絵本です。

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『ごはんはおいしい』  ぱくきょんみ 文  鈴木理策 写真  福音館書店


ちょうど今、秋にとれたばかりの新米がおいしい季節ですね。真っ白いゆげが立ち上る炊きたてのごはんを前におばあちゃんが話してくれます。ごはんがごはんになるまでのおはなしを。何気なく食べているごはんの尊さを知り、よりいっそう美味しくなる写真絵本です。

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