甲斐市立図書館

短編7作品でみな、ほんわか癒されるラストが素敵な本。
内容は直球がキャッチャーの前でストンと落ちた感覚で、少しの皮肉やユーモア、本筋に愛がある。
ラストの「人生のパイナップル」が特に心に染みた。主人公のじいちゃんが本当にいい味を出していて、奥が深い。さらと読める短編もなかなか良いなと感じた1冊。

短編7作品でみな、ほんわか癒されるラストが素敵な本。内容は直球がキャッチャーの前...

負けが込んでいるプロボクサーのぼくの思考が描かれた本。
ぼくを含め、登場人物の情報は極めてすくない。
そこにあるのはぼくの心情。
新米、現役プロボクサーのトレーナーのウメキチとの交流が、ぼくの心に変化をもたらす。
この本を読んで、他人目線から自分を見つめなおす勇気をもらった気がした。

負けが込んでいるプロボクサーのぼくの思考が描かれた本。ぼくを含め、登場人物の情報...

ナチスドイツが敗戦したベルリンを背景に物語は進められる。
戦争は悲惨だ。悲惨さからさらにそこからはい出したい一心で熱狂的に強い思想を持つ者へ陶酔していく過程が描かれている。
そこに暮らす少女は恩人が毒入り歯磨き粉で不審な死を遂げたことを知る。
そして、昔、その恩人のもとから家出した甥にその死を知らせに行く決意をする。
その旅に同行するのは泥棒の元俳優だった。
戦争後の荒涼とした街並み、食に瀕する人々、の描写に日本だけではなくドイツでも
同じく一般市民は苦しくつらい思いだったんだと感慨深くなった。
翻訳ではなく日本人が書いた小説。

ナチスドイツが敗戦したベルリンを背景に物語は進められる。戦争は悲惨だ。悲惨さから...

タワーマンションに住む主婦の有紗はママ友の美雨ママ（洋子）がＷ不倫していて、その状況に影響を受けて生活をしていた。
そんな中、有紗の家庭でもちょとした言葉のすれ違いや、ほんの少しの思いやりさえ薄れた夫婦生活に心の軋みが出始める。
そしてその亀裂を埋めるかの如く、有紗は夫以外の男性に心が強く惹かれていく。
登場している大人達の言動があまりにも身勝手に感じる。子供は蚊帳の外で自分の気持ちが優先しているようようで悲しくなった。

タワーマンションに住む主婦の有紗はママ友の美雨ママ（洋子）がＷ不倫していて、その...

平成元年に生まれた平成くんは同居する愛に安楽死すること告白。
理由は平成が終わる・・そして僕は古くなってしまうその前に平成とともに終焉したいのだと。
死となにか・・生となにか・・。
訳のわかない平成くんの感情が愛の言動によって、安楽死したい本当の理由がラストまで少しづつ明かされていき、少しづつ理解できるようになる。
2019年４月30日、平成は終わる。感慨深い気分で本を閉じた。

平成元年に生まれた平成くんは同居する愛に安楽死すること告白。理由は平成が終わる・...

４期の知事任期後、引退を決めていた安川だったが、後継者の突然の病死で様々な思惑が入り乱れる。
メダリストの立候補、２代目代議士の低落さ、スキャンダルを追う記者など、個々の立場の違いからの選挙戦の裏側の心理描写が面白い。
政界への進出は、組織力、経済力、知名度がないと当選しないのだろう。
そういえば国会議員議員が貧乏なイメージはない。

４期の知事任期後、引退を決めていた安川だったが、後継者の突然の病死で様々な思惑が...

実母の死から父親は再婚する。そして、血のつながらない親により４回名字が変わった優子。
大人の勝手な行動にて名字が次々と変わっていくのかと思いきや、そうではなかった。深き愛に支えられた血のつながりなき愛のリレーに感動した。

実母の死から父親は再婚する。そして、血のつながらない親により４回名字が変わった優...

虐げられた者たちが共存という平和を願い戦う平安時代の物語。
話し合いを求めるが、裏切るのは権力にに操られて者たちだ。
真の勇者が現れるが時の権力者に抗うことは難しい。差別を受け肉親や親しい者たちを殺された桜暁丸は、京人を憎み戦う。
しかし心静かなる人達に出会い、殺略ではない形を模索していく。
現代でも差別問題は根が深い。童と称した者たちの誇りをかけた壮絶な戦いはまるで大河ドラマを見ているような錯覚だ。
命とは尊い、そして命に貧富はない。万人の命の重みに変わりはないと強く思う。
おすすめ本。

虐げられた者たちが共存という平和を願い戦う平安時代の物語。話し合いを求めるが、裏...

江戸の人情を書かせると朝井氏は天下一品だと思う。8点の単品小説は江戸時代ならではの人情・仁義が炸裂。
最後の「草々不一」夫婦愛・親子愛の深さで締めくくる。江戸の時代の心意気はやっぱり魅力的だと思う。

江戸の人情を書かせると朝井氏は天下一品だと思う。8点の単品小説は江戸時代ならでは...

陸上部の圭祐は3年生最後の全国大会へのキップを僅かな差で逃してしまう。
その悔しさと向き合い、陸上の名門であり学業の偏差値も高い青海学院に入学したが、思いもよらないアクシデントに見舞われる。
目標を見失う圭祐は同じ中学出身の正也の熱意に流されて放送部に入部した。
そこからの心の変化の過程が描かれている青春小説。
読みやすかったが特に印象にも残らない内容だった。
個人的にはやはり湊氏にしか描かれないイヤミスの世界観に浸りたい。

陸上部の圭祐は3年生最後の全国大会へのキップを僅かな差で逃してしまう。その悔しさ...