甲斐市立図書館

事故を起こし死んだ双子の兄海斗の意識が、弟岳士の左手に宿ったのは、苦悩が生み出したものなのか・・・・
家出し殺人事件に巻き込まれる。冤罪を晴らそうと犯人を捜す二人。
そして「サファイヤ」というドラッグの販売に手をそめてしまう。
二人の関係はどうなるのかと次々とページをめくり結末を見極めた。
彼らの切ない思いをラストまで堪能した。

事故を起こし死んだ双子の兄海斗の意識が、弟岳士の左手に宿ったのは、苦悩が生み出し...

新聞社の新規配属先の同期４人の一人が、３０年後その四日市に希望転勤したがその地で溺死する。
その葬儀に出席するため３人は四日市に行くが、水を怖がり慎重だった藤岡がなぜあんな場所で写真をとって転落し溺死したのか・・
新聞記者の持つ洞察力からか、ちょっとした違和感からこの死亡の真相を追求し始める。少しづつ、ゆっくりとその背景が解明されていく。
最後に帰還の意味がわかる。

新聞社の新規配属先の同期４人の一人が、３０年後その四日市に希望転勤したがその地で...

男と女の関係を祭りに絡めた短編集。
官能的な内容だけど、そこには清らかな強さと切ない美しさが感じられる。
祭りには感情的な高ぶりの魔力があり、日常的ではない感動と興奮がある。
村山氏の作風が柔らかな艶を深めている作品。

男と女の関係を祭りに絡めた短編集。官能的な内容だけど、そこには清らかな強さと切な...

京都の花街や、予約が先々まで埋まっている高級店を背景に大人の情事が描かれている官能小説。
庶民が知り得ない最高級店の食事やホテル、シンガポールの生活は、特別な世界感が漂う。
潤沢な資産のある人々は理解しがたいことに喜びを感じるのかもしれない。

京都の花街や、予約が先々まで埋まっている高級店を背景に大人の情事が描かれている官...

佐方検事と増田事務官の阿吽の無言のやりとりが神髄だ。
「事実は真実ではありません」そして佐方検事は権力に屈せず
「検事の責務は罪をまっとうに裁かせることです。」と力強く言い切る。
生き方が不器用すぎて心配になる。

佐方検事と増田事務官の阿吽の無言のやりとりが神髄だ。「事実は真実ではありません」...

意外な嫁姑も諍いを海族と山族の因縁を絡めて進めるお話。
姑・嫁そしてその狭間で翻弄される夫、３人とも憎めない人材。
そしてすべての事件が姑と嫁の過去に繋がる。
コミカルでもありシリアスでもある話の進め方は伊坂幸太郎流。
人は誰に対しても溶け込むタイプと相反するタイプがあるが、その双方を理解することはできるのだろう。その着目点にうなった。

意外な嫁姑も諍いを海族と山族の因縁を絡めて進めるお話。姑・嫁そしてその狭間で翻弄...

報道する立場での特ダネとその対象となった将来有望なプロ野球選手。その双方にとって、人生最大の分岐点となる事件から17年の時が過ぎたところから話が始まる。
自分の人生の最大のピークはいつだったのかな・・・
そして分岐点の時に決断した判断は正しかったのかな？と過去を振りかえってみる読み手の一人になった。

報道する立場での特ダネとその対象となった将来有望なプロ野球選手。その双方にとって...

北海道の東の外れからたどり着いたツキヨと、過去に闇を持つ元歯科医師、ツキヨが天使と称するヒロキの３人の先の見えない暮らしは、とても暗い。
ツキヨが思う「生」とは、「死にたいと思わないこと」
だから光まで５分なのにたどり着かない・・・
抜け出せそうで抜け出せない物悲しさを感じる。

北海道の東の外れからたどり着いたツキヨと、過去に闇を持つ元歯科医師、ツキヨが天使...

短編の辛口でシュールな落ちが醍醐味。
長編はあらゆるジャンルで楽しませてくれる百田氏だが、
この本は短編ながら一捻りのある内容に引っ込まれる。
読んで体感してほしい。

短編の辛口でシュールな落ちが醍醐味。長編はあらゆるジャンルで楽しませてくれる百田...

瀬戸内寂聴がモデルで、本人が絶賛した不倫した男の娘が書いた本っていうことで、興味深く読んだ。
そこには不倫当事者たちの憎しみが感じられない。
ただ只管に不思議な魅力を持つ篤郎という男が中心に、女たちがその渦の中で蠢き、また静かに見守りその人生を過ごす姿が印象的な本。
不倫している夫にきずいていないように過ごす妻と、その妻にも魅力を感じられずにいる不倫の当事者の女性の心情を交互に表現している。
愛とはなんとむごく、深い業に包まれて、それでいて甘美なのだろうか。
文学性の高い本だと思った。

瀬戸内寂聴がモデルで、本人が絶賛した不倫した男の娘が書いた本っていうことで、興味...